はじめに
2022年にネイエ設計さんでシンプルでナチュラルな和モダンの家を建てました、じょりぱです。
インターネットが発達した現在において、家を計画する際、施主もブログやYoutubeなどで数多くの情報を得ることができます。
特に断熱性やコスト、太陽光発電などに言及している記事は多く見受けられるのですが、こと”デザイン”に関してはまだまだ情報が少ないのではないでしょうか。
アメリカでの生活を経験した私じょりぱは、海外にいたからこそ見える日本独自の美に魅了され、帰国後和モダンな家を建てるまで至りました。
その過程で行ったデザインについて多くの考察を、これから家を建てられる皆様と共有できたらと思いこのシリーズを立ち上げました。
シリーズ名は美しい空間の作り方シリーズ。今回は階段の場所についてです。
意外と間取りを考えるに当たり自由度が高いモノの一つだと思います。
その階段をどこに配置するか。それぞれのメリデメを理解しておくと良いかと思います。
アイデアとしては大きく3つ。
案1:玄関すぐ
案2:LDKの中
案3:LDKを通り過ぎた後
です。特に案3については珍しくまた私がおススメする配置ですので是非この記事を読んでご一考いただけると良いかと思います。
案1:玄関すぐ
玄関を開けてすぐ二階に上がれる、というのは昔からずっと人気の間取りだと思います。
こういった間取りにする場合、階段をどう見せるかが非常に大事です。
特に通常の階段のように周りを壁で囲んでしまうと、玄関に圧迫感がでてきて狭く暗く感じます。
そういったときは、蹴上げが無いスケルトンな階段を採用し光を取り込むか、洋風の場合は腰壁壁に穴をあけて光を通すなどの工夫をすると良いでしょう。
玄関の扉を開けたときの眺めはとても重要。階段はどうしても線が多くなるため、煩雑な印象を与えがちです。玄関すぐの階段を採用する際は、極力空間全体をシンプルに見せるような工夫をすると良いかと思います。
案2:LDKの中
最近流行りの間取りです。
「子どもの顔が見れる」というのが最大の特徴とされます。
しかし、一つデメリットとして知っておくべきことは、階段をLDKに持ってくることで面が一つ潰れてしまうということです。
よく階段下にテレビを持ってきたりキッチンのカップボードを持ってきたりする例を見るのですが、毎日昇り降りしてバタバタする階段との相性が良いか少し疑問です。
LDKに階段を持ってくる際は、L字型のLDKにして面数を増やす、階段を面に対して直角に配置するなどの工夫も良いかなと思います。
少しだけでも面を変えることができればバタバタした感じはだいぶ減らせるはずです。
でも、もしよい解が見つからない場合は、是非案3も考えてみてください。
案3:LDKを通り過ぎた後
あまり見受けられない案ですが、我が家でも採用しており、今回最も提案したい配置です。
すなわち、LDKを通りこした後の廊下に階段を配置するのです。
「子どもの顔が見れる」という特徴を得るのに、階段が必ずしもLDKにある必要はないと考えます。
これならばLDKは広々と空間を作れますし、バタバタする必要はありません。
それになりより、階段にお金をかけてスケルトンにしたりする必要がないんです。
廊下に連続するよう堂々とシンプルな階段をつくり、手すりを壁につければ安全かつ安上がりです。
廊下との一体感が出せれば十分ではないでしょうか。
ここからさらに陰影について考えましょう。
家を魅力的にする方法の一つとして陰影の強弱をつけることが挙げられます。
一般的に明るくしたい空間は、リビング、ダイニング、、、と考え、意図せず結果的に洗面やトイレが暗く”なってしまう”ということが多いように思います。
そんなときに敢えて廊下や階段の暗い空間を挟むことにより、その他の各部屋が広く、明るく感じられます。そういった意味でも階段をLDKの奥に配置するのは有効だと思います。
廊下や階段で空間を絞り、各部屋で開放する。
その強弱が心地よい空間を創り出します。
おわりに
いかがだったでしょうか。今回は階段の位置についてまとめてみました。
はじめにでも述べましたが、間取りを考えるうえで階段はかなり自由度があるものだと思います。
どうしてもLDKは南に、水場は北に、玄関や駐車場は買った土地に支配されてしまいがち。そんな中で階段の場所に選択肢を持っておくことで間取りの自由度はぐっと上がると思います。
家づくりの初期段階で必ず一回は憧れる吹き抜けLDKの階段、一度ぐっと踏みとどまって他にも魅力的な選択肢があることを知っていただけたらと思います。
今回の記事、参考になれば幸いです。
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