【美しい空間の作り方】光の性質を考える

間取りの考察/floor plan
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はじめに

2022年にネイエ設計さんでシンプルでナチュラルな和モダンの家を建てました、じょりぱです。

インターネットが発達した現在において、家を計画する際、施主もブログやYoutubeなどで数多くの情報を得ることができます。

特に断熱性やコスト、太陽光発電などに言及している記事は多く見受けられるのですが、こと”デザイン”に関してはまだまだ情報が少ないのではないでしょうか。

アメリカでの生活を経験した私じょりぱは、海外にいたからこそ見える日本独自の美に魅了され、帰国後和モダンな家を建てるまで至りました。

その過程で行ったデザインについて多くの考察を、これから家を建てられる皆様と共有できたらと思いこのシリーズを立ち上げました。

シリーズ名は美しい空間の作り方シリーズ。今回は光の性質を考えるです。

美しい空間づくりには性質を理解した上での光の取り込みが必須です。

断熱性能を上げるためにひたすら窓を無くしていく、、、なんてことをしないように光について学んでみましょう。

東の光

朝太陽は東から昇ります。

なので、一般的に東の窓は朝の優しい日差しを取り込むことができます。

西から昇ったらバカボンです。

そこで、”朝”がキーワードの空間は東に持ってくると良いでしょう。

例えばじょりぱ邸では東に玄関とリビングを持ってきています。

平日朝、出勤時に朝日を浴びて元気を出したいのと、休日朝、リビングで朝日を浴びながらコーヒーを飲みたいからです。

また、冬場は朝から太陽の光を室内にいれることで、朝から暖かく明るい空間を作ることができます。

よい光を取り込めそうな土地でしたら積極的に狙っていきましょう。

南の光

日本人大好き南の光。

勿論私も好きです。

最近は大手のハウスメーカーでも直方体型LDKで南側全面大きな窓、、、という間取りが増えていると思います。

しかし南の光は取り扱い注意です。

夏に直射日光が入りすぎると大変なことになります。

特に吹き抜けを採用した場合は空間が大きくなるため冷房の負荷がかなり上がります。

中途半端な全館空調だとやりきれない、、、なんて話も聞きます。

勿論家具や床も焼けます。

一方で一番強力な光なのは間違いなく、冬は取り込むに越したことはありません。

そこで結論。

庇です。

庇といっても色んなやり方はあります。

庇を出す、二階をオフセットする、ルーバーを入れる、簾を活用する、、、

つるつるてんの南側大開口+吹き抜け+全館空調、、、の方は本当にそれでも耐えられる断熱性能があるか再度確認しましょう。

日本の気候に合った家がどういったものかは、日本の建築が教えてくれます。

たとえモダンな家や洋風な家を建てるにしても、日本の建築を見て必要なエッセンスは取り込みましょう。

西の光

西の光は難しい。

基本的には夕方暑くなるのであまり入れない方がよいですが、西日には一つ、圧倒的なメリットがあります。

それはキレイであること。

夕日を楽しめる土地でしたら是非そういった空間も作りたいところです。

私のおススメとしては

・窓の大きさを絞ってピンポイントで夕日を入れる

・室内外に段差をつくり、光が入る位置を絞る

・簾などで光量をコントロールできるようにする

・例えば廊下や階段など、多少暑くなっても問題ない場所をもってくる

といったところです。うまく室内に取り込めた夕日はとてもきれいですよね。

必殺:夕日入れ を成功させるにはその土地をしっかりと理解し、設計序盤から織り込む必要があると思います。

北の光

最後に北の光についてです。

北は陽が当たらないので窓は不要、、、なんて思っていないでしょうか?

北は陽が当たらない、、、からこそのメリットが実は沢山あるのです。

1,緑が映える

知られていないことが多いこの事実。

(あまりにもジメジメしたところは除き、)緑が最もよく見えるのは北側の窓からです。

理由は植物が南に向くから。

植物は一般的に葉を太陽のある南に向けるので、北側の窓からは植物の表の顔を見ることができます。

太陽が出た際はキラキラと明るく反射します。

例えば良い景色が北側にあるのであれば、積極的に窓を開けて借景していきましょう。

日当たりが良ければ植栽を入れても良いでしょう。

南玄関/東玄関で北側にfix窓越しの植栽なんてとてもオシャレだと思います。

2,時間や天候に左右されず、安定した光が入る

いきなりですが、工場の屋根がギザギザしている理由、ご存じでしょうか?

実はあのギザギザ、北側からの光を入れているのです。

北側の光は必ず反射光となるため、季節や天候に影響されず、とても安定します。

安定した光が欲しいところには北側の光を導入しましょう。

例えば洗面所、朝の身だしなみや化粧を整える際は安定した光があると助かりますよね。

ハイサイドライトとして取り込み、空間でさらに膨らませてあげると良いでしょう。

3,インテリアが日焼けしない

直射日光が入らないということはインテリアなどの日焼けもしづらいということです。

例えばアメリカでは家具屋や絵画などが日焼けしないため、むしろ北側の部屋のほうが好まれる傾向にあったりします。

日本の北側は寒いのであまり多くはありませんが、セントラルヒーターが一般的なアメリカでは方角による寒暖差をあまり気にせず、むしろインテリアへのダメージが少ない北側リビングにすることが全然普通なのです。

日本で家を建てる際にも、敷地的に北側に窓を持ってくるメリットがある場合は十分に検討に値すると思います。

おわりに

今回は光についてまとめてみました。

美しい空間づくり=光のコントロールと言っても良いほど重要なことだと思います。

また、光を考えること=土地を理解することでもあり、自然とオリジナリティーが生まれてくるはずです。

初期段階の間取りでは、「土地の方角とサイズが決まれば自動的にこの間取り」とテンプレ的な間取りを提示されることもあるかと思いますが、そこからどうやって自分の土地にFitさせていくかを考えたいところですよね。

今回の記事、参考になれば幸いです。

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