【美しい空間の作り方】和モダンな空間の作り方

間取りの考察/floor plan
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はじめに

2022年にネイエ設計さんでシンプルでナチュラルな和モダンの家を建てました、じょりぱです。

インターネットが発達した現在において、家を計画する際、施主もブログやYoutubeなどで数多くの情報を得ることができます。

特に断熱性やコスト、太陽光発電などに言及している記事は多く見受けられるのですが、こと”デザイン”に関してはまだまだ情報が少ないのではないでしょうか。

アメリカでの生活を経験した私じょりぱは、海外にいたからこそ見える日本独自の美に魅了され、帰国後和モダンな家を建てるまで至りました。

その過程で行ったデザインについて多くの考察を、これから家を建てられる皆様と共有できたらと思いこのシリーズを立ち上げました。

シリーズ名は美しい空間の作り方シリーズ。今回はブログテーマでもある和モダンについてです。

和モダンという言葉は非常にあいまいです。何をもって和モダンというかは、人によって、会社によってまちまちである、というのはインターネットでいくつか検索すればすぐにわかります。

特に最近では、和室を入れたり、格子を入れたり、暗い色合いを使ったらもう和モダン!というインスタントな和モダンも多く見かけるようになってきました。

和テイストなんて言葉も出てきており、日本人としては少々寂しさを覚えたりもします。

そこで本記事では、和モダンをもっと深いところで理解すべく、和の精神性を理解して現代の生活スタイルに表現していく、、、という意味での和モダンを考察したいと思います。

和モダンのポイント① ~低重心~

日本人はつい最近まで床座の文化でした

文明開化を期に、ここ数十年で欧米化により生活の高さが上がってきたものの、所詮我々のDNAには床座の文化が深く刻まれています。

欧米より、地面に近いところで生活をすることで安心感を得られるのです。

目線を低い位置にコントロールし、低重心を創り出す。天井を上げるのではなく空間の重心を下げる。

そんな空間への工夫が和モダンを創り出します。

窓の位置をちょっと下げる、スイッチの位置をちょっと下げる、、、のような低重心化への工夫を積み重ねていくことが非常に効果的です。

そこにモダン感を付けたすのであれば、ダイニングセットやソファといった家具を入れる、吹き抜けの空間を作ったり、高天井の部分を作ったりする、などが効果的でしょう。

ただし、くれぐれもすべての空間で重心を高くしすぎないよう注意です。

欧米の家具は基本的に日本のものより目線・重心が高くなりがちです。その点に注意を払わないと、和モダンっぽくしたのになんか狭く感じたり、落ち着かなかったりする可能性があります。

型を理解した上で破るから型破れ、型無しとは異なります。

和モダンのポイント② ~素材~

日本の建築の特徴として、自然を大切にするというものがあります。

これは当たり前のようでいて珍しいです。欧米では(時代にもよりますが、)派手な装飾やアート作品で空間を飾っていきますし、例えば中国などアジアの国を考えても自然に馴染むというよりは、赤い建物など、自然の中で“映える”人工物を作るという考え方の方が多いと思います。

一方日本の建築の場合は、自然に溶け込むような建物をつくったり、自然を限られた小さい空間内で表現したりと、方向性が真逆です。

すなわち、日本人が心地よいと感じる空間は自然に囲まれているのを感じた時と考えても良いのではないでしょうか。

自然を感じるためには「ゆらぎ」に着目します。そしてゆらぎを感じるには「素材」はとても重要です。

杢目、和紙、石、布のしわ、壁のコテ跡、

これらは和の要素を持つと思います。目で見て手で触れることで自然を感じることができるからです。

さて、それら和を和モダンに発展させるにはどうすればよいのでしょうか。

そこに異素材と呼ばれるようなモダン要素を足していくのです。

モダンというのは人工物と考えても良いでしょう。一定のものです。

アイアン、コンクリ、ガラス、ステンレス、タイル、、

これらが程よいバランスで合わさった時に和モダンが生まれるのだと思います。

異素材の効果はあくまでも対比で、自然を引き立たせることにあると思います。

和モダンのポイント③ ~結界~

日本建築の面白い特徴として、空間の仕切り方が挙げられます。

欧米では一空間一目的、部屋と部屋はドアなどで物理的にしっかりと区切っていきます。

一方で日本は空間を気持ちで区切ります。一空間多目的、可変性があると言っても良いかもしれません。

のれんや鳥居、しめ縄などの先には、物理的には何の区切りもないのに異なる空間を感じます。

一般住宅でも障子や襖を使うことで、部屋が繋がったり区切られたり、簡単に可変していきます。

それらを踏まえて和モダンにするには、気持ちで空間を区切ることを表現すれば良いと思います。

例えば光の強弱や天井の高さなどで空間を作ると言ったことです。

ちょっとだけ空間をずらして配置するなども効果的ですね。

フランクロイドライトが得意とした技たちです。彼の建築が日本人に刺さりまくっている理由がわかります。

おわりに

ここまで読んでくださりありがとうございました。

和モダンな空間をつくるために是非考えていただきたい3点をご紹介しました。

答えの出し方には色々な方法があると思いますが、いずれにせよ、これらのことを考えて設計した家にはきっと和モダン感、ひいては心地良い空間が生まれることでしょう。

これからお家を建てられる方の参考になれば幸いです。

また、皆さまからのご意見ご感想などお待ちしております。

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