良い家をつくる施主とは

一般/general
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はじめに

こんにちは。じょりぱです。

2022年にネイエ設計にて家を建てました。

今回は、普段(他業種ではあるが、)設計関係の仕事をしている私が、施主(=家を建てる人)の立場、設計側の立場を共に経験したことから見えてくる良い施主の条件というものを述べていこうと思います。

これから施主になる方、是非参考にしてみてください。

※今回の記事はあくまでも個人的な想いであって、答えではありません。また、場所によっては、少々強い言い方になってしまうかもしれませんが、ご了承いただけると幸いです。このような記事を書く目的は、施主であるあなたに良い家を建てていただきたいから以外の何物でもありません。

お客様ではなく施主

注文住宅で家を建てる場合、その発注者はお客様ではなく施主と呼ばれます。

本来施主というのは葬式や法要なでの当主のこと、すなわち「リーダー」なのです。

つまりは注文住宅を建てる場合は、あなたがプロジェクトリーダーとなって家を建てていくということなのです。

リーダーとは責任を取る人です。あなたの家が良い家になるのか悪い家になるのか、極論を言えばそれはハウスメーカーではなく施主であるあなたにかかっているということなのです。

なぜそんな極論染みたことを言えるのか。

それは

プロジェクトのメンバー、(即ちハウスメーカーや担当の方)をあなたが決められるから

です。

普段の会社生活と大きく異なる、施主ならではの有利な点と言えるでしょう。

会社員の方は多くの場合自分の部下、ましてや上司など選ぶことができません。

それでもリーダーになったからにはチームの責任をとり、限られた時間で成果を出していかなくてはいけないのです。

それと比べ、家づくりではあなたが好きなタイミングで、好きなハウスメーカーと家づくりを行うことができるので、本来より思い通りになるはずのプロジェクトと言えるのです。

ですので、ハウスメーカーを決める際はモデルハウスのキレイさだけではなく、そこで働いている人も見るようにしましょう

家づくりは何か月もかけるような大プロジェクトです。

「この人となら一緒にプロジェクトを進めたい!」と思えるか。実は一番大事なことだと思います。

勿論ニコニコして都合の良いことばかり言う人はあまり信じてはいけません。

私は以下のことに気にしながらハウスメーカーを決めさせていただきました。

「質問に対して誠実な回答があるか」

「自社の強みと弱みを述べることができるか」

「他社を陥れるような態度ではなく、自社の作品にしっかりとプライドを持っているか」

「設計者としての情熱を持っているか」

などです。

できれば似たような質問を各ハウスメーカーにぶつけてみれば良いと思います。

意外にもハウスメーカーの差、個人の差があるものですよ!

決断すること ~リーダーに求められる力~

さて、施主、即ちプロジェクトリーダーに最も求められる力とは何なのでしょうか。

それは決断力だと思います。

決断、、、というと何かを選ぶこと。というイメージがありますが、その二文字を改めて見てみると

つことをめる」

ことであることが分かります。

人間「やりましょう!」よりも「やめましょう!」を言う方がはるかに難しいのです。

意識して「やめましょう!」を言えるようになる。これは非常に重要です。

やめた分だけ自由度が増し、設計者が思う存分に腕を振るうことができると考えても良いかもしれません。

おそらくやりたいことを言うのは、ここで私が記事で書かなくても皆さんやられることだと思います。

ですのでここは敢えて「やらない!」に意識を向けてみましょう。

例として私が家を建てる際のことをご紹介します。

最初の間取りをひく時点で

「WICはいらない、和室もいらない、ベランダもいらない、SICもいらない、吹き抜けもいらない、玄関から直通の回遊動線もいらない」

を明言しました。

その結果、設計者さん側から

土地を活かした玄関、広いLDK、プライバシー性のグラデーションを活かした間取りなど、より自由に間取りをご提案いただくことができたのです。

このような決断力というのは、住宅迷子からの脱却にも必要な力だと思うのです。

住宅迷子

近年、SNSの普及により珠玉混合の情報が入り乱れ、頭の中がぐちゃぐちゃになった状態で注文住宅を建てようとする方が激増しているとのお話を聞きます。

(かく言う私も情報を発信している一人ですが、、、)

いざ家を建てようとなると、多くの方がインスタやPinterestで気に入った写真を探し、ブログで後悔ポイントを読み漁り、全てを頭に入れて整理できないままハウスメーカーに向かうことになっているようです。そんな状態のことを住宅迷子と(某youtuber工務店さんなどは)呼んでいます。

住宅迷子から脱却する方法、それが決断力です。

その判断は本来施主にしかできません。

タイムアップでハウスメーカーにさせてはきっと後悔します。

決断力を上げるには、しっかり考え抜くことと決める練習をすることが重要です。

ですので、情報を浴びたあとは必ず夫婦で会話をし、思考を整理する時間をとりましょう

それがある程度まとまる前にハウスメーカーと契約するのはお互いの不幸に結びつきかねません。

情報を集めるのと同じくらい、夫婦で話合いをすること、特に「やめること!」についての話合いが大事です。

自分達の生活スタイルを改めて考えて本当に必要かどうかを判断したり、敢えて反対派の意見を読んだりして不要なものをあぶりだします。

それが設計自由度となって設計者の羽となるのです。

信頼して任せること ~チームビルディング~

もう一つ大切な力があります。

それはプロを信頼して任せることです。

例えばハウスメーカーに要望をするときに

「LDKは20畳、トイレは1畳、風呂は2畳、、、」とか言ってないでしょうか?

或いは自分で間取りをひいて

「LDKはこの通りにしてください」

なんて言ってないでしょうか?

100%間違いだ、とは言いませんが、それは少々リスクがあるやり方です。

なぜなら自分の想像以下のものしかできないことが多いからです。

相手はプロです。絶対に自分より多くのことを知っているはずです。

具体的すぎる条件は設計者の羽を折ってしまいます。

設計者がやるべき仕事の領域まで細かく指図をされては設計者側もやる気をなくしてしまうのが人情というものです。

100%想像できているもの以外は極力コンセプト、やりたいこと、優先順位を伝えるのみにしましょう。

こんな感じならいかがでしょうか。

「リビングではTVだけではなく緑も見たい」

「南東の景色を見れるようにしたい」

「LDKの大きさも大事だが、トイレや風呂は通常より大きくしたいのでそちらのほうが優先」

「リビングよりもダイニングにいる時間が長い」

「2Fに上がる際、子どもの顔を一度は見れる動線にしたい」

この程度の粒度だと設計者には色々な選択肢がでてくると思います。

例えば一番最後の

「2Fに上がる際、子どもの顔を一度は見れる動線にしたい」

ですが、巷で流行っているリビング階段だけが解ではありません。

LDKを通りこした後のエリアに階段を持ってきても良い訳です。

そしてそれがまさに我が家で出していただいた解だった訳です。

ハウスメーカーも施主のレベルをみている

さて、ここまで一方的な施主目線での内容を書いていきましたが、勿論逆もしかり。

ハウスメーカーには色々な設計者がいますので、施主に応じてどの設計者をあてがうか、ハウスメーカー側も施主のレベルを見ているのです。

喧嘩腰でくる施主、マウントをとりたがる施主には、自分のスタイルを持った設計者なんかあてがわず、人当たりが良くうまく受け流せる人をあてがうでしょう。

細かく指示をしてくる施主には、きっと従順な、我慢強い設計者をあてがうでしょう。

勿論何も勉強してこず、さらに決定力もない施主にはそもそも良い設計者なんかあてがう訳もありません。

やはり、しっかりと勉強してきたうえで、プロを信頼して任せられる、そんな施主にはエースをあてがうのではないでしょうか?

少なくとも自分がハウスメーカー側だったらそうします。

おわりに

いかがだったでしょうか。

今回の記事、少々極論的ではあるのですが多少なりとも納得していただけるところもあったのではないでしょうか。

勿論カンペキを目指すと疲れてしまいますので、3つ目に大事な条件として

「足るを知る」

というのも付け加えておきましょう。

しっかりと自分たちなりに答えがでるまで考え抜えて一度GOを出したらあとはあれこれ悩まずに変えないのが基本です。

GOを出すときも不安があるかもしれませんが、最後の最後はタイミングを逃さずえいや!っといくのも大事です。

不安定な精神状態で良いモノはできないのでお気楽に。

きっとミスった部分はそのうち思い出や愛着となって返ってきます。

後悔ととるか愛着ととるか、それは受け取り方次第。

いずれにせよ一度動き始めてからも修正をしまくるプロジェクトは必ず悪い方向に流れていきます。

リーダーが一度GOを出したら緊急時以外は変えない、変える時はプロジェクトメンバー(すなわちハウスメーカー側)の気持ちがそがれないようにケアをする、という心構えでいましょう。

また、何か月もかけてプロジェクトを動かしていく中で、必ずミスも出ますし相手に怒りたくなる時もあります。

でもそんな時にプロジェクトリーダーとして少しでも自責の念があれば笑って過ごせるというもんです。

リーダーたるものそのくらいどっしりと構えていきましょう。

さて、少々長い記事になってしまいましたが設計側、施主側の経験を通して感じたことをまとめさせていただきました。

皆さんが少しでも良い家を建てるお役にたてれば幸いです。

今回の記事には賛否両論あると思います。

是非皆さんのコメントお待ちしております!

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